もし、例会に集まってから1時間、1問もクイズをしないクイズサークルがあったら?

「そんなサークルあるわけないでしょ」
「オレなら辞めるね」
「むしろクイズサークルなのそれ?」
といった答えが聞こえてきそうだが、そんなサークルがあるんです。あ・る・ん・で・す!

4/18に催されたQuizinの例会。
私くまだは、妻の知人が金沢で1年前につくり始めたクラフトジンを持参することを決めて調達していた。これは今年の「International Wine and Spirit Competition」という世界的なコンペティションにおいてコンテンポラリー・ジン部門で最高金賞「Gold Outstanding」を受賞した逸品。しかも例会直前にさらに上位の「Trophy」を受けたというニュースが飛び込んできたため、これを告げるとメンバーの目の色が変わった。
つまみには焼き豚でも持っていこうと、出勤前に築地にまわり、近江屋でできたて1本を仕入れる。

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本日のメイン企画担当のそんメンバーから、アメフトの様な団体戦ルール「ターンオーバー」の案内が入る。午後にはルールの説明書が投稿されるあたりは、さすが教員というところ。

あつし「食後のおやつ」に続いて、マコト「伊勢丹の催事で専門店の唐揚げ」、おさない「伊勢丹のデパ地下で餃子と海老春巻き」と、密会が疑われる「伊勢丹コンボ」が入ったところで、本日欠席のあずまメンバーから食べ物とは別のgood newsが入り、「みんなで準備だ!」と盛り上がる。

バイクで来る予定だった松浦リーダーは、クラフトジンの魅力に負けて手段を変更して「鉄火巻き」、なべ「たこ焼き」、わだ「時間と場所的にケンタのポテト」、しろま「ギャラクシードーナツ」。
そして極めつけはとえメンバーの「フルーツ盛り合わせとサブ企画」。キャバクラか。

さて、19:00過ぎ、1番に着いた私が焼き豚1本をカットし、次いで到着したマコトメンバーの鶏皮せんべいと合わせて取り分ける。松浦リーダーの鉄火巻き、なべメンバーのたこ焼き、そんメンバーのエピ、おさないメンバーの餃子&海老春巻きなどが集まってきて、お酒と食事をしながら色々とおしゃべり。

食べ物ではおさない調達の「餃子」と「海老春巻き」があの麻布「富麗華」の点心で、クオリティに驚かされた。餃子の皮のモチモチ度、海老春巻きのフワカル度にメンバー一応「うわ、おいしい!」の輪唱状態である。

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さて、そろそろ揃ってきたし、昔の問題でも読みますか、と松浦リーダーが読み始めるまでかれこれ60分経過。その後も食事を堪能しながら「半食半押」で20分ほど経ったところで参加メンバーが全員揃った。

ここでちょっとリーダーからアナウンス。メンバーも増え、サプライ能力も向上してきたことだし、Quizinも今年はいよいよ「大会」を開催しようという話。とはいえ我々の能力だとオープンにするのは厳しいから、これまでお世話になっている方々を中心に招待する「Invitational」方式で行こう。我々の大会だから、食べ物、お酒も楽しんでもらえるようにしよう。そのためにはきちんと費用をいただこう。もちろん問題は自分たちの出したいものを「好きに」出そう。などなど、思い思いに大会でやりたいことを言い合っていたら、どんどん時間が経過してしまう。そろそろ企画を始めないと。(大会についてはこちらを)

ということでやっとこクイズ。今回のメイン企画はそんメンバーの担当で、事前に提示されていた通りチーム戦のアメフト風ルール「ターンオーバー」である。参加者は企画者を除いてちょうど10名なので、並んで座っていたマコト、しろま、松浦、おさない、わだのAチーム対イナイダ、あつし、くまだ、なべ、とえのBチームで対戦することに。

ルールはアメフトのグラウンドを30ヤードに簡略化し、ダウンを3回取るとタッチダウン(6点)となる。攻撃側は4ダウン以内に1問正解すれば進行できるが、守備側の正解、または攻撃側の誤答でダウンが1つ進行する。タッチダウン後は1点追加のポイントアフタータッチダウン(PAT)が狙えるが、これはクイズではなくストップウォッチを指定された時間で止める、という酔っ払いに厳しいもの。

また、問題は50問限定で、1割程度「ターンオーバー問題」が設定してあり、これに守備側が正解した場合、その地点で攻守が入れ替わる。要素盛りだくさんだが、楽しそうである。

まずは先攻を決める問題。

「国連常任理事国5か国のうち、これまでに最多の拒否権を発動したのは旧/」 → 「フランス」
という謎のパラ読みをあつしメンバーが的中させて、Bチームの自陣ゴール前からプレイ開始。ゴール前まで進軍するも守備側マコトメンバーの連答で阻まれ、4th and Goalに。フィールドゴールも狙えるが、ここはギャンブルを選択。

「野球で、日本語では挟むという字を使って/」 なべメンバーが果敢に押すも答え出ず。ギャンブル失敗で攻守交替となる。(正解はランダウンプレイ)

Aチームの攻撃はあっさり3連答してタッチダウン。ストップウォッチチャレンジは一番若いという理由でおさないメンバーが担当。止める時間指定は10秒で、9’00”から11’00”までならPAT達成となるが・・・
おさない「うわ、やば。12秒・・・」ということで失敗となった。
ここまでで10問消費。スコアは6-0だ。

続くBチームの攻撃もタッチダウン成功からPAT失敗という流れで 6-6 。
次のAチームの攻撃では「ブルース・リー」でタッチダウンしたしろまメンバーがストップウォッチを初めて成功。13-6となった。

攻守替わってBチームの攻撃。1ダウン進んだところ。

「プログラマーのサム・アルトマンがCEOを務め/」で守備側松浦リーダーが押して 「ChatGPT!」と答えたが判定が止まっている間に「あ~、OpenAI!」と言い直して、しばし考えたジャッジが「正解としましょう」と判定。ところがこれが「ターンオーバー問題」で中央エリアで攻守逆転。ゴール前に進行した後、守備側の誤答で連続タッチダウン。

PATは再びおさないメンバーがチャレンジ。しかし15秒の指定で19秒という最大の誤差でまたも失敗。若さとは? しかしスコアは19-6と差が開いた。

劣勢のBチームはどうしてもタッチダウンが欲しい状況。ここまでで問題数は30問消費しているのでなるべく少ない問題で行きたい。ここはうまく3問でタッチダウンを獲得したが、今度はくまだがPAT失敗。19-12。

余裕のあるAチームの攻撃。Bチームのミスでタッチダウン。そしてPATは3度目の正直のおさない。指定時間は13秒。そして、ここでミラクル。

「うぉぉっ!ジャスト!!」 記録は13’00”。今日一番の「押し」は早押しボタンではなくストップウォッチから飛び出した。これでスコアは26-12。

Bチームはいよいよ後がない。すでに37問消費なので、ターンオーバーを引き寄せる運も必要だ。

そんなところでくまだのところに息子からアクシデントの電話が入り、しばらく退場を余儀なくされる。攻撃側4人のハンデを背負うもなんとかゴール前まで到達。くまだもプレイに戻ったところでイナイダメンバーの「第三京浜」でタッチダウン。ここでPATを決めないと点差が8点なので逆転の目はほぼなくなる重要な局面。キッカーイナイダ、指定11秒を11’25”でクリアして、「仕事してる感」を出してくる。26-19。

残る問題数は5問。
なんならAチームは問題をつぶして、本来のアメフトよろしく「時計を使う」という選択もあるが。

「パルテノン神殿の背後に見えるニューヨークの摩天楼には世界貿易センタービルが今でもそびえ、東京スカイツリーは/」 → 「東武ワールドスクエア」 という攻撃側しろまメンバーのナイスプレイ(QoD候補)でダウン獲得の後、

「英訳されてその題名は『And Then』となった、夏目漱/」 → 「それから」 とあつしメンバーが果敢なディフェンスをしたところ、これが起死回生の「ターンオーバー」成功となる。「これはデカい!」とBチーム歓喜。

残り3問のうち1問取ればBチームも追いつくという状況。
第48問「寒立馬」をディフェンス松浦ブロック、そして第49問

「一ト仕事を終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った。」と言う文で締めくくられている、1950年に実際にあった放火事件をもとに/」 → 「金閣寺!」 をあつしメンバーが答えてタッチダウン。26-25。劇的。

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そして運命のPATのキッカーはあつしメンバー。決めればオーバータイムか?指定は11秒。
みんなが祈る中、押されたストップウォッチを恐る恐る覗き込むと、、

「あ~~~~っ 14秒・・・」

ということで失敗。試合は26対25でAチームの勝ち。

それにしてもこんな展開ある?という接戦で盛り上がった。フィールドゴールだとか攻撃側の誤答もターンオーバーにしてもよいだとか、いくつかブラッシュアップできそうな点はあるが、ぜひまたやりたいルールでありました。

ここで舞台転換。冒頭に書いたクラフトジンで、ジントニックを作るので、その間、くまだが作った勝抜杯対策ペーパーを解いていただきましょう。制限時間は18分。ペンはペン屋さんのしろまメンバーに借りて。

「酔っぱらってペーパーはきつい!」という声も上がったが、Quizinだから仕方がない。

ご興味のある方はこちらどうぞ。
(なお後日の本番では、何も的中していない上に、ペーパー通過できないという情けない結果でした。)

それにしても、みんなが苦しそうな顔でペーパーに取り組んでいる姿を見るのは、とっても楽しいものですね。性格悪いか。

そんな悶絶を尻目に、11杯のジントニックを作る。コリアンダーの効いたスパイシーな味わい、という評だったので、ガーニッシュにはライム/レモンよりも甘みのあるピンクグレープフルーツをチョイスした。

グラスを配ると、
「ジン特有の苦味が全くないね。いいね」
「ほんとだ~~いい香りだけがする」
「美味しいお酒ってこういうことなんだ~~」
と一同、特に女性陣から絶賛の声が上がった。

私自身も初めて味わったが、スッキリとしながらスパイシーな土台を持ち、香りがきれいに立つ素晴らしいジンだと思いました。

こいつをいただきながら答え合わせをし、最高点はマコトメンバーの23点。お見事。

そして最後にとえメンバー担当のサブ企画。
今年はウサギ年、自分も年女ということでウサギにまつわるクイズを出題。問題か回答に「ウサギ」「rabbit」などの文字列や音が含まれる問題を出します。
ただし、ときどきウサギに関係ない問題が混ざるので、その場合は宣言して、「ウサギじゃなくて〇〇です」と答えるとボーナスがもらえる、というようなルール。

いきなり、
「西洋由来で、日本では修身の教科書に取り上げられて広まったという、『欲は身を失う』や、『虻蜂取らず』と同じような/」 → 「一兎を追うものは二兎を得ず」とイナイダメンバーが答えたときに時が止まった。なんだこの時空のゆがみのような感覚は? 数秒後「逆じゃない?」と思わずあつしメンバーがツッコミを入れる。

これはご愛嬌として、
「三重県発祥の料理うざくとは、ザクザクと/」 → 「これはウサギじゃなくてウナギ」(マコト)

なるほど、そういう問題が含まれているのね。面白い面白い。

だけどハイライトは間違いなくこの問題。
「港区麻布十番/」 → 「月野うさぎっ!」
のおさない押しには一同びっくり。「麻布十番と来たら押すつもりでした」と満足そう。わだメンバーも「わたしも張ってたのに~~」と悔しそう。

その後、
「そろばんの書においては、『うさぎのつがいの問題』として検討された/」 → 「フィボナッチ数列」(あつし)
「甲乙丙丁の4巻からなり/」 → 「鳥獣人物戯画」(マコト)

などの快スラッシュも飛び出して問題終了。最終スコアはマコト・なべが7点で同点優勝となりました。

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ここで残り時間わずかになり、最後に生どら焼き、フルーツ盛り合わせをいただいて終電タイム。私もそこらで失礼したが、そのあとも会は続いた模様。

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来月の企画担当はメイン:しろやまメンバーですが、サブはまだ決まってません。

お品書きと出席者:
焼き豚(築地近江屋 くまだ)
唐揚げ(紅生姜/ガーリック)、鶏皮せんべい、砂肝(揚匠しげ盛 マコト)
ネギトロ巻き/鉄火巻き(葵寿司 松浦)
たこ焼き(九条ネギマヨ香るゆずぽん/チーズ明太子) (銀だこ なべ)
★焼き餃子/海老春巻き(富麗華 おさない)
ベーコンエピ/ベーコンチーズエピ(源宗園/ハースブラウン そん)
フライドポテト(KFC わだ)
ギャラクシードーナツ(Jack in the Donuts しろま)
生どら焼き(いちご/あんず/小倉)(成城散歩 あつし)
フルーツ盛り合わせ(小田急HALC とえ)
★クラフトジン「HACHIBAN」(Alembic大野蒸留所 くまだ)
各種アルコールと会場(イナイダ)
★はFOD(Food of the Day)

QOD(Quiz of the Day):
「パルテノン神殿の背後に見えるニューヨークの摩天楼には世界貿易センタービルが今でもそびえ、東京スカイツリーは/」 → 「東武ワールドスクエア」(そん作・しろま答)
「港区麻布十番/」 → 「月野うさぎっ!」(とえ作・おさない答)